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上井草駅:西東京の静かな「撮り鉄」スポット(改札を出ればガンダム)
東京

上井草駅:西東京の静かな「撮り鉄」スポット(改札を出ればガンダム)

鎌倉の江ノ電——民家や通行人のすぐそばをかすめて走る、あの小さな緑の電車をご存じの方は多いと思います。でも、目の前を電車が通り過ぎていく場所は、東京の近くにも他にあります。

街の西側にある、一見なんの変哲もない小さな駅。上井草(かみいぐさ)駅は、日本の鉄道ファンのあいだで、いつしか人気の撮影スポットになりました。ホームのすぐ脇の踏切で、電車が数メートル先に停まり、また走り去っていきます。

ホームの端の、すぐそばの踏切

上井草は、杉並区にある西武新宿線のこぢんまりとした駅です。この駅を特別にしているのは、その昔ながらの造り。相対式の2つのホームには、跨線橋も地下通路もありません。反対側のホームへ渡るには、地元の乗客も含め、みんなが改札のすぐ外の踏切を使うのです。

その踏切はホームの端にとても近く、8両編成の長い電車は、先頭が道路に少しはみ出すようにして停まります。歩行者用の踏切に安全に立つと、電車の先頭がすぐそこに——手を伸ばせば届きそうなほど近くに停車します。あの、なつかしいクリーム色と黄色の西武電車が、視界いっぱいに広がります。

上井草の踏切に停まる黄色い西武電車。先頭が、人が渡るあたりまで迫っている

ここは地元では、東京の「開かずの踏切」のひとつとしても知られています。電車がひっきりなしに通るため、遮断機がなかなか上がらないのです。もっとも鉄道ファンにとっては、それこそが魅力。数分待てば、また次の電車が必ずやって来るのですから。

はじめに——安全のお願い

ここは、毎日たくさんの人が使う現役の踏切です。近隣の住民の方、通学する子どもたち、ホームを移動する乗客——みんなが渡ります。電車を眺め、写真に収めるにはすばらしい場所ですが、それはルールをきちんと守ってこそ。次のことは、どうか絶対にお守りください。

  • 線路の内には決して立ち入らず、舗装された踏切からレール側へは出ないこと。 線路への立ち入りは、禁止であり、きわめて危険です。
  • 警報音が鳴ったら、ただちに踏切から出ること。 「もう一枚だけ」と粘ってはいけません。
  • 遮断機が下り始めたら、踏切に入らないこと。 次に開くのを待ちましょう。
  • 踏切をふさがないこと。 地元の方は通勤・通学の途中です。端に寄り、写真のために真ん中で立ち止まらないでください。

なぜ大切なのか、どうか思い出してください。あなたの退出が遅れて運転士が急ブレーキをかければ、車内の乗客がけがをするかもしれません。そして最悪の場合、電車との事故は、旅行者保険の限度額をはるかに超える高額な賠償につながることもあります。どんな一枚の写真も、それに見合うものではありません。電車は、安全な場所から、心穏やかに楽しみましょう。

何が見られる?

楽しみのひとつは、その多彩さです。西武新宿線では、こんな電車を眺められます。

  • ひっきりなしに来る黄色い通勤電車 — 西武の伝統色。この場所の、本当の主役です。
  • 特急「小江戸(こえど)」 — 蔵の街・川越の玄関口、本川越へと急ぐ特急電車。
  • 特別なラッピング電車 — 運がよければ。私たちが訪れた日には、期間限定の「昭和トレイン」が通りました。昭和のなつかしい漫画雑誌の表紙で車両を飾った、西武のレトロな企画列車です。

側面を昭和の漫画雑誌の表紙で飾った、西武の「昭和トレイン」

「昭和トレイン」のドアのエンブレム——SEIBU RAILWAY × 昭和100年

次に何がやって来るか、なかなか読めない——だからこそ、ファンは飽きずに待っていられるのです。

上井草を走る電車たちを、もっと深く知りたくなったら——ファン向けのムック『西武鉄道の世界』(鉄道ダイヤ情報編集部)を開いてみてください。今日見た一両一両の背景が、いっそう味わい深くなります。

→ この本の中身について詳しくは:鉄道好きへのお土産に:ムック『西武鉄道の世界』

さらに、その走りを運転席から味わいたいなら——Amazon JapanのPrime Videoには、西武鉄道の運転席展望シリーズ(本線・Laview・特急小江戸・拝島ライナーなど)をはじめ、魅力満載の映像が数多くそろっています。上井草を走るあの電車たちを、運転士の目線からたっぷり。初めての方なら、30日間の無料体験からはじめられます。

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南口には、ガンダム

南口を出ると、思いがけない守り神が待っています。片腕を空へ掲げた、ガンダムのブロンズ像です。

上井草駅南口に立つ、ガンダムのブロンズ像

ここに立っているのには、ちゃんとわけがあります。この杉並の一帯は日本のアニメ産業の一大拠点で、『機動戦士ガンダム』を生んだ制作会社サンライズが、長らくこの近くに本社を構えてきました。そのつながりは深く、2008年からは、駅の発車メロディーに、あの主題歌「翔べ!ガンダム」が使われています。電車を待つあいだ、ぜひ耳を澄ませてみてください。

つまり上井草は、鉄道の街であると同時に、小さな「アニメの街」でもあるのです。この街については、いずれ一本の記事として、あらためてご紹介したいと思います。

もうひとつ、この街で知っておくとよいことを。駅から徒歩14分ほどのところに観泉寺があります。山門が紅葉を額縁のように切り取る禅寺で、11月下旬はまるで京都。しかも拝観無料です。

ブロンズ像を見上げて、もう一度『機動戦士ガンダム』の物語に触れたくなったら——すべての原点である劇場版から、ぜひ。

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行き方

上井草へは、都心から西武新宿線で気軽に行けます。

  • 西武新宿駅(新宿のとなり)から:各駅停車で約20分
  • 高田馬場駅(山手線・東京メトロ東西線)から:約15分

SuicaやPasmoのICカードを使うと、こうした小さな移動がぐっと楽になります。上井草には各駅停車しか停まりませんので、急行に乗った場合は、途中で各駅停車に乗り換えてください。

上井草駅の南口。バス停と、すぐ脇の踏切

ついでに、もうひとつ

朝に訪れるなら、近くにもうひとつ、地元の小さな秘密があります。長く愛されてきたサンドイッチ店カリーナ。朝6時から店を開けていて、多くのカフェがまだ扉も開けないうちから、常連さんの短い行列ができることも。ふわふわの手づくりサンドイッチが24種類、150円ほどから。売り切れ次第終了です——カリーナ:朝6時から開いている、上井草のサンドイッチ店でご紹介しています。

基本情報

  • 駅名: 上井草駅
  • 路線: 西武新宿線(各駅停車のみ停車)
  • 所在地: 東京都杉並区
  • おすすめ: 鉄道写真、新宿から30分ほどの、ちょっと変わった寄り道
  • 南口にて: ガンダムのブロンズ像/発車メロディー「翔べ!ガンダム」
  • ご注意: 踏切は公道です。遮断機と警報に必ず従い、線路には決して立ち入らないでください。

同じ線を、もっと先まで

西武新宿線が面白いのは、ここまでではありません。終点まで乗れば、小江戸・川越です。火事に耐えるために建てられた蔵造りの商家、江戸初期から時を告げてきた鐘、そして毎朝20体だけ縁結び玉を配る神社があります。

そこへ走る特急「小江戸」は、今も10000系ニューレッドアロー。西武は2027年春からの置き換えを発表しています。撮るにしても乗るにしても、知っておいて損はありません。

こんな方へ

ここは、東京の小さくて本物の一角を楽しみたい、好奇心のある旅人のための場所です。鉄道好きの方、写真好きの方、あるいは人混みを離れて静かな聖地巡礼をしたいアニメファンの方に。少しの辛抱強さを持って、踏切に敬意を払って訪れれば、ほかの旅行者がなかなか思いつかない一枚と、忘れられない思い出を、きっと持ち帰れるはずです。

※ 車両のデザイン、発車メロディー、特別企画などは変わることがあります。踏切の信号や駅係員の指示に必ず従い、安全に、良識をもってお楽しみください。

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