カリーナ:朝6時から開いている、上井草のサンドイッチ店
ひとつのことだけを、四十年続けて、そのことを別に言い立てもしない——日本には、そういうお店があります。「サンドイッチとコーヒーの店 カリーナ」は、まさにそんな一軒です。
西武新宿線・上井草駅の北口から、まっすぐ北へ徒歩3分ほど。1980年代から、サンドイッチを手づくりで作り続けています。シャッターが上がるのは朝6時。週末には、その前から人が並んでいます。
サンドイッチのこと
日本のサンドイッチは、独自の食べものです。カリーナは、その王道をとても丁寧に作ります。耳を落とした白い食パンは、噛む前に沈むほどやわらかく、きれいに切り揃えられて、赤い「サンドイッチ」の文字が入ったセロファンに包まれています。

まず食べるなら、タマゴサンド。毎日お店で作られる厚焼き玉子は、淡い色をして、ほんのり甘く、まだやわらかいまま、あのふわふわのパンに挟まれています。凝ったところはひとつもありません。ただ、毎朝きちんと、手で作られているだけです。
そのあとは、ぜひフルーツサンドも。生クリームと果物を、同じやわらかいパンで挟んだもの。外国の方には最初「え?」という顔をされて、そして大抵、好きになって帰られます。
24種類、150円から
種類は24種類。そして値段が、どこか別の時代のままです。ピーナッツバター150円、ハムやチーズが220円、玉子やポテトサラダが230円。

地元で人気なのは、ハムカツとコロッケ。揚げたてを、あのやわらかいパンにそのまま挟んでしまう——理屈ではないおいしさです。
運がよければ、の話
もうひとつ、タイミング次第の楽しみを。サンドイッチを作る過程でパンの耳が出るので、たくさん出た日には、ふわふわのパンの耳を、袋に入れて無料で分けてくれることがあります。
やわらかくて、ほんのり甘くて、これがまた良いのです。頼んで出るものではなく、あてにできるものでもありません。ただ、運がいい日があるというだけの話です。
買い逃さないために
ここが肝心です。カリーナは、うっかりすると本当に買えません。
- 営業は6:00〜14:00、ただし売り切れ次第終了。土日は昼前になくなることもあります。
- 定休日は月・火・水曜日。 ここは要注意です。行ってから気づくと、かなり切ないことになります。
- 現在はテイクアウトのみ。 店内の営業はお休み中なので、コーヒーで一服……ではなく、持ち帰る前提で計画してください。
- とにかく早めに。 平日なら9時前が安心。週末は、開店前に並ぶのも大げさではありません。

上井草で、朝を過ごす
カリーナがあるのは、杉並の静かな一角。紙袋を提げたあと、寄り道する先にも困りません。
徒歩14分ほどのところには観泉寺。11月下旬に見事な紅葉になる禅寺で、ベンチでサンドイッチを食べるのにも良い場所です。
歩いて3分ほどのところにあるのが、上井草駅の踏切。鉄道ファンに愛される撮影スポットで、南口にはガンダムのブロンズ像が立っています——上井草駅:西東京の静かな「撮り鉄」スポットでご紹介しました。ほかにも、いわさきちひろのちひろ美術館、早稲田大学のラグビーグラウンドが近くにあります。
6時にサンドイッチ、7時に電車、開館時間になったら美術館。とても気持ちのいい、そしてとても地元らしい朝の過ごし方です。
家で、あの卵サンドを
週3日はお休みで、売り切れ次第終了。カリーナのサンドイッチは、食べたいときにいつでも買える、というものではありません。だからこそ——家で作るという手もあります。
卵サンドを本気で掘り下げるなら、ナガタユイさんの『卵とパンの組み立て方』。卵サンドの探求から、料理やデザートへの応用まで、一冊まるごと「卵とパン」の本です。
そして、心を持っていかれたのがフルーツサンドのほうだったなら、同じ著者による姉妹編『果実とパンの組み立て方』を。クリームと果物と、あのやわらかい食パン。同じ丁寧さで一冊にまとめられています。
道具も、あるとぐっと楽になります。ゆで卵は電子レンジのゆで卵メーカーがあれば火加減いらず、半熟も固ゆでも思いのまま。潰す作業にはミニマッシャー——卵サンドにも、ポテトサラダサンドにも活躍します。
(※ 価格・在庫は変動します。表示は掲載時点のものです。)
もっとも、いちばんのおすすめは——朝6時に、上井草へ行くことですが。
基本情報
- 店名: サンドイッチとコーヒーの店 カリーナ
- 場所: 西武新宿線・上井草駅北口からまっすぐ北へ徒歩3分ほど、右側
- 営業時間: 6:00〜14:00(売り切れ次第終了)
- 定休日: 月・火・水曜日
- 提供: 現在はテイクアウトのみ(店内営業は休止中)
- メニュー: サンドイッチ24種類、150円ほどから(掲載時点)
- 公式サイト: kar-na.la.coocan.jp
こんな方へ
早起きが苦にならない方、そして「その街の人が食べているもの」を食べてみたい方へ。小銭を持って、行列より少し早く着いて、紙袋を提げてどこかのベンチへ。わざわざ訪ねる名店、ではありません。それより良いものです。誰かの「いつもの店」——それが、その朝だけ、あなたのものになります。
注記:営業時間・定休日・価格・メニューは変わることがあり、売り切れ次第終了です。お出かけ前に公式サイトでご確認ください。
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