豊洲市場の朝ごはん:何を食べて、何を頼まないか
朝6時半。千本のマグロが動くのを見終わって、猛烈にお腹が空いている。順番として、これが正解です。
豊洲市場には夜明け前から開く飲食店エリアと、料理人が仕入れに来る専門店街があります。朝ごはんとしては、とてもいい。ただ、その前に正直なところを書いておきます。豊洲を「そうではないもの」だと思って来る人が、かなり多いからです。
はじめに、正直な話
豊洲は築地場外市場ではありません。 狭い路地で焼きホタテを片手に、店から店へ——あの光景は築地のもので、電車で30分ほどのところに今もあります。
豊洲は卸売市場として設計された新しい施設です。飲食店は、きれいな屋内通路に並ぶ「席に座って食べる店」。食べ歩きはできず、市場内の通路での飲食は禁止されています。おいしい朝ごはんではありますが、それは食べ歩きではなく、朝ごはんです。
もうひとつ、はっきり書いておきます。ここには観光客向けに構えた店もあり、価格と品質のつり合いに、私たち日本人が納得できない店もあります。市場の中だから安い、市場の中だから最高、とは限りません。目を開けて選んでください。
これだけは頼まないでほしいもの
観光客向けの店で、ウニは頼まないでください。
私は、まさにそういう店で食べました。上質な日本産ウニの澄んだ橙色ではなく、色は黒っぽく、味は苦かった。国産の良いものだったとは思えません。

ウニは市場のメニューでいちばん高価な食材で、しかも比べる基準を持たない客が多いぶん、手を抜かれやすいところでもあります。良い国産ウニを食べたいなら、それを看板にしている寿司屋のカウンターで、相応の値段を払って食べるのが確実です。逆にマグロは、まさにここのもの。市場そのものの商品で、鮮度があり、外しようがありません。
飲食店はどこにあるか
3か所に分かれています。ここで戸惑う人が多い。地図では「飲食店舗エリア」を探してください。
| 街区 | 階 | メモ |
|---|---|---|
| 6街区(水産仲卸売場棟) | 3階 | いちばん店数が多い |
| 7街区(管理施設棟) | 3階 | マグロせり場とPRコーナーに近い |
| 5街区(青果棟) | 1階 | 3つのなかでは静か |
せり見学から来たなら、いま立っているのが7街区です。
営業は早朝からお昼ごろまで。 昼よりずっと早く閉める店もあります。豊洲で13時にランチ、という計画は立てないでください。朝ごはんとして計画し、11時以降は賭けだと思っておくのが安全です。
有名な寿司店の行列は、市場が開く前からできます。どうしても行きたい店があるなら早めに並ぶ。とくにこだわりがないなら、並んでいない店へ行けばいい。魚は同じ床から来ています。
魚がし横丁——ここを見ずに帰る人が多い
6街区の4階にあるのが魚がし横丁。築地から移ってきた専門店街です。料理人が仕入れに来る場所で、そして——ここが大事なのですが——一般の人も買えます。
あるもの:プロ用の包丁、だしを引くための鰹節・昆布、わさび、漬物、海苔、お茶、器、寿司屋が使う道具類。とくに包丁の店は、それだけを目当てに来る価値があります。
上がる前に、いくつか。
- 現金を持っていく。 ほとんどが現金のみ。電子マネー・カードが使える店もあります
- すべて定価販売。 値切る場所ではありません
- お昼ごろには閉まります。 もっと早く終わる店も
- 横丁の中での飲食は禁止
- 早朝は買い出し人で混み合い、通路を台車やターレが通ります。足元と進路にご注意を
- コインロッカー・ベビーカー置き場はなし。ペットも入れません
- 冷蔵・生ものを買うなら保冷バッグと保冷剤を持参
買ったものの使い道については、茅乃舎だし と 貝印 関孫六のキッチンばさみ を別に書いています。どちらも、この横丁がプロ用を扱っている系統のものです。
豊洲 千客万来は、朝の見学には使えません
市場の隣に建つのが豊洲 千客万来。江戸の街並み風の食楽棟と温浴施設からなる、新しい集客施設です。写真で見ると、まさに旅行者が思い描く「にぎやかな市場グルメ」に見えます。
ただし食楽棟の営業はおおむね10時から(2階には9時開店の店、足湯庭園も9時から)。
つまり、せり見学に来た人にとっては、お腹が空いている時間には閉まっていて、帰ったころに開く。施設が悪いわけではなく、想定している客層と時間帯が違うだけです。見たいなら、日を改めるか、その日の遅い時間に戻ってくることになります。上階の温浴施設(万葉倶楽部)は24時間営業です。
買い物について、先に知っておくこと
仲卸売場は見学者は立ち入れません。 入口は警備員が固めており、入れるのは一定量以上を仕入れる業務筋だけ。家庭で使う量を売る場所ではないからです。一般の人が買い物をするのは、4階の魚がし横丁です。
生魚をホテルに持ち帰るのは、現実的にはあまりうまくいきません。乾物・包丁・お茶・器のほうが旅に強く、結果的に「買ってよかった」と言われるのはたいていこちらです。
生ものは、家に届けてもらうという手
そして——市場で観光客向けの店に頼むのと、家で食べるために取り寄せるのは、まったく別の話です。
前者はその場の一杯に払う値段で、比べる相手がいない。後者は量と産地を見て選び、冷凍で届き、好きな日に開けられます。同じ「ウニ」でも、条件がまるで違います。
築地の仲卸が出しているウニ・イクラ丼のセットもそのひとつ。無添加の生うに300gといくら醤油漬け300gで、丼およそ6杯分、送料無料で15,498円(執筆時点)。市場で丼を2〜3杯食べる金額です。
正直に添えておくと、私はこの商品を食べていません。 産地・内容量・レビューを見て選んでください、というところまでが、私に言えることです。

基本情報
- 名称: 豊洲市場 飲食店舗エリア/魚がし横丁
- 住所: 東京都江東区豊洲6-6-1
- 最寄駅: ゆりかもめ「市場前駅」
- 飲食店: 6街区3階/7街区3階/5街区1階。早朝〜お昼ごろ
- 魚がし横丁: 6街区4階。早朝〜お昼ごろ。ほぼ現金
- 豊洲 千客万来: 物販10:00〜18:00/飲食10:00〜22:00(2階に9時開店の店あり・足湯庭園9:00〜22:00/温浴は24時間)
- 休み: 日曜・祝日と、多くの水曜。市場開場日カレンダーの確認を
- 予算: マグロ丼で2,500〜5,000円前後(執筆時点。部位と店による)
席に着く前に
最後にひとつ。ここの店は、もともと市場で働く人のためのものです。運転手、買い出し人、包丁を握る人——午前2時から起きている人たちの食堂であり、仕入れ先です。もちろん私たちも歓迎されています。ただ、朝7時に隣の席にいる人は、すでに一日の半ばにいるかもしれません。
おいしく食べて、声は控えめに、狭いカウンターで荷物を広げない。通路では台車に道を譲る。どれもお金はかからず、そしてこういう場所が見学者に開かれたままでいられる理由そのものです。
まだせりを見ていない人へ
朝ごはんは、朝の後半です。前半は マグロのせり見学と、無料の抽選の申し込み方。申込が1か月前に締め切られるので、予定を立てる前に読んでおいてください。
食べたあとに、握ってみる
豊洲でいい寿司を食べた日は、自分で握ってみる体験がよく効きます。市場で見た魚が、手の中でどうなるのかが分かります。
東京:寿司作り体験
注記:営業時間・価格・休市日は変わります。店ごとに営業時間も異なります。お出かけ前にご確認ください。
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