皇居 新年一般参賀:予約不要・無料で、両陛下のお出ましへ
一年のほとんど、皇居の内側は閉ざされています。けれど1月2日だけは違います。その朝、正門が開き、日本人も海外からの方も、予約もチケットもなしに、堀を渡って中へ入ることができます。そして長和殿のベランダにお出ましになる天皇皇后両陛下の、新年のご挨拶を受けられるのです。
これが新年一般参賀。そして、無料です。
皇室にとって、一年でいちばん忙しい時期
日本では、正月三が日は一年でもっとも大切な日々です。そして皇室にとっては、一年でいちばん多忙な時期でもあります。
この一般参賀の前後には、静かな神道の儀式が並びます。大晦日の節折(よおり)の儀と大祓(おおはらい)の儀。元日未明の四方拝——天皇陛下が四方の神々を拝し、国の安寧と五穀豊穣を祈られる儀式です。続いて歳旦祭の儀、新年祝賀の儀。1月3日には元始祭の儀、4日には奏事始の儀。
その一週間のなかで、私たちが分かち合える唯一の場面が、2日のお出ましなのです。

皇居での新年一般参賀は、昭和23年(1948年)に始まりました。そして令和8年(2026年)の参賀者は、60,140人でした。
当日の流れ
両陛下は、長和殿のベランダにおおむね5回お出ましになります。参賀を希望される方が多いときは、特別回が追加されることもあります。
お出ましのおおよその時刻: 10:10/11:00/11:50/13:30/14:20
参入時刻: 9:30〜14:10。14:10で閉門です。
回を選んで予約する仕組みではありません。列に並び、手荷物検査を受けて、そのとき入れる回に参加します。より多くの方が参賀できるよう、お出ましごとの退出に協力することになっています。ひと組が出て、次の方々が入る——その繰り返しです。
入る門と、出る門
ここは覚えておいてください。門は一方通行です。
- 参入:皇居正門(二重橋のところ)——入れるのはここだけです。
- 退出:坂下門、桔梗門(ききょうもん)、大手門、乾門。
退出門から入ることはできません。 大手門から入ろうとすると、ぐるりと回らされることになります。
紙の日本国旗と、ひとつのお願い
皇居正門の近くの路上で、有志の団体が小さな紙製の日本国旗を無料で配っています。ひとつ受け取ることができます。ほとんどの方が受け取り、その6万本が一斉に揺れる光景こそ、いちばん記憶に残るものになります。

そして退出門の近くには、国旗を回収している方々がいます。とても日本らしい資源回収です。お返ししてもいいですし、記念に持ち帰ってもかまいません。どちらでも大丈夫です。
ひとつだけ、お願いがあります。けして、国旗を路上に捨てないでください。 持ち帰るか、回収の方にお渡しください。一年の始まりに、自国の国旗がごみのように路上に投げられているのを、誰も見たくないのです。
参賀のための実用メモ
当日を楽にする、いくつかのこと。
- 警備は厳重です。 門では手荷物検査があります。荷物は最小限に。キャリーバッグや大きな荷物は、ホテル(チェックイン前・チェックアウト後も預かってもらえることが多いです)か、駅のコインロッカーへ。ナイフやハサミは、法令違反にならない程度のものでも検査に時間がかかるので、持ち込まないでください。ドローンは禁止です。
- 履物にご注意を。 皇居前広場は砂利道、皇居内には坂道もあります。この人出では転倒事故も起こりえます。ハイヒール、下駄は避けたほうが安心です。
- 列を守ってください。 開門前、正門前にあらかじめ列ができます。列を崩したり、立ち止まったりしないよう、そして職員の方の誘導に従うようお願いします。
- 早めに。 閉門14:10は厳守で、手荷物検査にも時間がかかります。

中止されることがあります
予約は不要ですが、新年一般参賀は積雪や荒天により中止されることがあります。当日の朝、宮内庁のホームページで最新の情報をご確認ください。
参賀のあとに——皇室ゆかりの品と、一冊
参賀から帰ってきて、もう少しこの世界に触れていたくなったら。
ボンボニエール——皇室の慶事の菓子器
ボンボニエールをご存じでしょうか。手のひらにのる、小さな菓子器です。
始まりは明治20年代。皇室が外国からの賓客を招いて西洋式の饗宴を催すようになり、その引き出物としてお菓子を贈るのに使われました。やがて、日本の「和製ボンボン」ともいえる金平糖を詰めて贈られるように。金平糖は、小さな核に糖蜜を少しずつかけて何日もかけて育てる——その工程が子育てに通じるとされ、縁起物になりました。
幸せが宿る器。今も皇室の慶事に欠かせない品であり、結婚のお祝いや引き出物としても愛されています。
宮内庁御用達として知られる漆器店・山田平安堂のボンボニエールは、春秋・松竹梅・宝尽くしなど、日本の吉祥文様をまとっています。
→ 由来をもっと詳しく:ボンボニエール:皇室の菓子器と、幸せが宿る小さな器のはなし
同じ山田平安堂の飛騨春慶塗のボウルもあります。木目を活かした澄んだ飴色の漆器で、日常の器としても使えます。
→ 詳しくは:飛騨春慶塗:木目が透けて見える、使うための漆器
皇室を、もう少し知るための一冊
参賀に行くと、「そもそも四方拝って何だろう」「元始祭とは」と、次々に疑問が湧いてきます。『図解でわかる 14歳からの天皇と皇室入門』(大角修)は、その入り口にちょうどよい一冊です。図解が多く、歴史も儀式も系統立てて追えます。
(※ 価格・在庫は変動します。表示は掲載時点のものです。)
基本情報
- 行事: 新年一般参賀
- 日程: 例年1月2日
- 費用: 無料(予約不要・チケット不要)
- 参入: 9:30〜14:10、皇居正門(二重橋)からのみ
- お出まし: おおむね5回、10:10/11:00/11:50/13:30/14:20ごろ
- 退出門: 坂下門、桔梗門、大手門、乾門
- 最寄り駅: 東京、二重橋前、日比谷、大手町
- 公式情報: 宮内庁

こんな方へ
お正月に東京にいらっしゃる方で、「観光客向けに用意された催し」ではない、まぎれもない日本の一場面を見てみたい方へ。早めに着いて、歩きやすい靴で、小さな旗を受け取って。同じことを考えた6万人のなかに、しばらく立ってみてください。
注記:時刻・門・実施要領は毎年発表され、変更されることがあります。お出かけ前に必ず宮内庁の公式発表をご確認ください。
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