EN / JA
写真集『工場夜景』:運河の夜を持ち帰る
日本のお土産

写真集『工場夜景』:運河の夜を持ち帰る

工場夜景クルーズには、ひとつ困ったところがあります。90分ものあいだ、本当に見事なものを目の前にしているのに、暗くて、しかも船は動いている。物理法則にしたがって、持ち帰る写真の大半はうまく撮れていません。

日本には、その答えが先に用意されています。夜の工業地帯を扱う出版の小さなジャンルがあり、そのなかでいちばん手ごろにまとまっているのが、A5判の一冊『工場夜景』です。版元は二見書房、2015年の刊行。

写真の出どころ

この本が単なる眺める本で終わらないのは、ここです。

収録されているのは、川崎市主催「工場夜景・美の祭典」フォトコンテストの入選作を中心にしたもの。川崎市・北九州市・四日市市など全国5都市の共催です。買ってきたストック写真ではなく、実際にその運河へ出かけて待った人たちの一枚です。

横浜の工場夜景クルーズに乗ったなら、川崎の章はまさにあの水域です。船は塩浜運河・田辺運河・南渡田運河をめぐります。デッキの手すり越しに見たあのプラントが、この本の最初のパートに載っている——三脚を据えて、足元でエンジンが震えていない人の手で、きちんと撮られた姿で。

収録されている場所

  • 川崎市 — 京浜工業地帯。いちばん厚いパート
  • 四日市市 — 三重の海沿い。「ブルーモーメント塩浜」など
  • 周南市 — 山口・瀬戸内のプラント群
  • 北九州市 — 九州の工業ウォーターフロント
  • 室蘭市 — 北海道。寒さが光に独特の作用をします
  • 全国の工場夜景 — 苫小牧・江別・八戸ほかを短く

そして写真だけでなく、ガイドブックとしても作られています。鑑賞スポットのマップと、どこに立てばよいかの解説付き。写真集がいちばん省きがちな半分が、ここには入っています。日本初の「夜の工場」写真集とされていて、写真+歩き方という構成は、その後ずいぶん真似されました。

正直に書いておきたいこと

2015年の本です。 プラントは建て替わり、展望スペースは開いたり閉じたりします。アクセス情報には古くなっている箇所があるはずです。マップは出発点として使い、わざわざ出かけるなら現況を確認してください。

もうひとつ。これは撮影地ガイドであって、立ち入りの許可証ではありません。 掲載されている場所の多くは、稼働中の工場の外側の道路や岸壁です。夜間に路上へ長く三脚を置けば、通行の妨げにも、警備の懸念にもなります。掲示に従い、敷地には入らず、プラントに向けてライトを当てない。工場夜景が撮れる場所が残っているのは、これまで問題が起きていないからです。

お土産として、よくできている理由

  • A5判・127ページ — スーツケースに平らに入り、壊れる部品がありません
  • 1,540円(税込)ほど — クルーズのチケット1枚より安く済みます
  • 日本の外ではまず手に入らない — 気軽に取り寄せられる本ではありません
  • 古びない — 夜の工業地帯の写真は、10年経つと古くなるのではなく、奇妙さが増します

価格と買える場所

書店で探すなら、旅行の棚ではなく写真集かサブカルチャーの棚を見てください。新宿の紀伊國屋書店、丸の内の丸善などが、このジャンルを置いています。

滞在先のホテルへ届ける方法

Amazon Japanや楽天から、滞在先のホテルへ直接届けられます。帰国の数日前に注文して、フロントで受け取るのがおすすめ。配送先にはホテルの住所とホテル名、予約と同じ宿泊者名を入力してください。

  • 事前に滞在ホテルへ確認してください(宿泊者宛の荷物を受け取ってもらえるか)
  • Amazon.co.jpの英語表示切替は画面の右上にあります。楽天市場は日本語のサイトなので、読みにくい場合はブラウザの翻訳機能をお使いください

こんな人におすすめ

赤レンガ倉庫に戻ってきて、少し呆然としたまま、オレンジ色にぶれた20枚をスクロールして「見たのはこれじゃない」と思った人に。見たのは、こちらです。

写真を撮る友人への贈り物にも向きます。川崎まで出かけるかどうかとは関係なく、この本は「暗いところで光をどう撮るか」の教材として持ち運べるからです。

→ 関連記事:横浜 工場夜景ジャングルクルーズ:京浜の運河を90分

アフィリエイト情報:この記事にはAmazonアソシエイトおよび楽天アフィリエイトのリンクが含まれています。Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています(購入者に追加費用はかかりません)。