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根津美術館:青山の真ん中にある、静けさの名品
文化

根津美術館:青山の真ん中にある、静けさの名品

表参道のブティック街から歩いて数分、竹に沿った長く静かな小道があります。歩くごとに、街の音が一歩ずつ後ろへ遠ざかっていく。入口にたどり着くころには、東京がずいぶん遠くに感じられます。

これが根津美術館のアプローチ。日本のあらゆる建築の中でも、指折りに美しい「入り方」だと思います。

庭園の中の美術館

根津美術館は、茶の湯と東洋美術を深く愛した鉄道実業家・根津嘉一郎のコレクションから始まりました。開館は1941年。2026年は開館85周年にあたります。

コレクションは日本と東洋の古美術7,000件以上——絵画、書、陶磁、青銅器、茶道具——国宝も複数含まれます。建物は2009年に隈研吾の設計で新創されたもので、深い軒のライン、ガラス、そしてあの忘れがたい竹のアプローチが静かに調和しています。

展覧会は年6回ほど、コレクションからテーマを絞って開催されます。2026年8月15日〜10月12日は「やきもの紀行——中国・日本・朝鮮半島」。陶磁の名品を巡る旅です。

かの有名な燕子花

4月中旬〜5月中旬に東京にいるなら、この美術館を予定に入れてください。館いちばんの至宝、尾形光琳の国宝**「燕子花図屏風」**が公開されるのは、この季節だけです。

そして、ここからが粋なところ。ちょうど同じ時期に、庭園の池では本物の燕子花(カキツバタ)が咲きます。2階に絵、庭に生きた画題。こんな瞬間を用意できる美術館は、世界にもそう多くありません。

庭園

根津美術館の丘の庭園へと続く石畳の小道

建物の裏手には、約17,000平方メートルの丘の庭園が静かな池へ向かって広がっています。木立の中に石灯籠が立ち、岩は苔をまとい、曲がりくねった小道の先に茶室が現れます。

象の彫刻が施された庭園の石灯籠

ここはゆっくり歩いてください。庭のあちこちに石仏や青銅像、彫刻が点在しています——よく見ると象もいます。すぐ隣が都会とは思えない、別世界です。

庭園内のガラス張りのカフェNEZUCAFÉでは、緑を眺めながらコーヒーや軽食を。晴れた午後は、なかなか席を立てなくなります。

行く前に(ここ大事です)

  • 展示替えの期間は休館します。ときには数週間。訪問前に必ず公式サイトのスケジュールを確認してください(例:2026年は7月中旬〜8月中旬が休館で、8月15日からやきもの展が始まります)
  • オンライン日時指定券があり、おすすめです——燕子花の季節はすぐ売り切れます
  • 庭園・ショップ・カフェの利用には入館が必要です

基本情報

名称: 根津美術館
住所: 東京都港区南青山6-5-1
開館時間: 10:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日: 月曜(祝日の場合は翌火曜)、展示替え期間
入館料: 展覧会により1,300〜1,600円前後(オンライン予約推奨)
所要時間: 1.5〜2時間(庭園の時間を忘れずに)
アクセス: 表参道駅A5出口から徒歩約8分

午後まるごと計画に

美術館は表参道の静かな端に位置しているので、青山の散歩と自然につながります。建築、小さなギャラリー、帰り道のコーヒー。訪問時の写真はInstagramにも載せています。

こんな人におすすめ

ネオンの下に、もっと静かで古い東京の心があるはず——そう感じている人に。東京で美術館に使える午後が1回だけで、ジブリのチケットが取れなかったなら、私が勧めるのはここです。

注記:開館時間・展覧会・料金は変更になる場合があります。訪問前に公式サイト(nezu-muse.or.jp)をご確認ください。